Jan
7
【津田委員】
1年前の議論の繰り返しというか,あえて繰り返しになってしまう部分があるんですが,僕は30条の変更に関しては反対です。懸念が2つあって,1つは,生野委員とか華頂委員のおっしゃる海賊版に対して,それが正規のコンテンツビジネスを阻害しているという,僕もそういう認識には同意します。それに対して何らかの対策が必要であろうということも全くそのとおりだと思います。ただ,30条をこういった形で変えることによって,この後の数年の流れとして,知財保護の中で30条の制限というのが全ての著作物に適用されてしまうことを非常に懸念しています。
今回こういう形で30条が来年の通常国会で通って,録音録画に限定してダウンロード違法化が実現するという形になれば,現実問題として,法制問題小委員会ではゲームもそれに含めてくれという話にもなるでしょうし,ほかの著作物はどうなるんだと。ダウンロードを違法化している国は欧米などでもありますけれども,録音録画という形で限定するのは日本だけという,ある種ちょっといびつな状況になっている中で,写真の著作者協会がそれも含めてくれというようなことを言い出してくることは十分考えられる。
そういう状況を踏まえたときに,僕が懸念するのは,インターネットという情報技術,テクノロジー自体が他人の著作物をオンラインでコピーしてしまうがゆえに,違法なコンテンツに触れてしまわざるを得ないところがあると思うんですよ。検索エンジンなどが象徴的だと思うんですけれども,ネットのサービスは情報取得の利便性を上げるために,著作権的にグレーなところをあえて越えてしまうサービスが出てきているわけです。
例えば,今,若者だとなじみがあるmixiというソーシャルネットワークのサービスでは,動画を張り付けることもできますし,動画をそこでダウンロードすることもユーザにおいてできる。あとは,mixiの中のモバイル版のサービスというのがありまして,携帯電話で他人のmixi以外のブログを自動的に取り込んでしまって,それを表示するという機能もあります。あれは他人のブログまで勝手にとってきて,mixiのサーバ上に変換してしまっているので,あれも厳密にいけば公衆送信権の侵害という形になると。
そこには画像なども置かれているわけで,そういったものもユーザインターフェースの中で,利便性の中で,mixiのユーザというのは他人の日記を見る感じでブログを見ているわけですから,それがまさか違法なものだというのは気付かない。「情を知って」という要件があるにしても,著作権は常にグレーな状況で,利便性を高めるために違法な状態に置かれる著作物を取得している可能性は非常に高くなっているという状況がある。デッドコピーに関しては対策すべきだと思います。ただ,やるのであれば本当に実効性のある方法でやるべきでしょうし,現実的に対策をするということであれば,実効性があるというのは,プロバイダ責任制限法とか,そこの発信者情報開示請求の見直しとか,もっとほかにやるべきこと,実効性の高いものあると思います。
先ほど生野委員から,このままだと音楽ビジネスが立ち行かなくなるというお話がありまして,確かにそういった面はあるとも思うんですけれども,例えばアメリカに目を向けてみたら,9月の終りぐらいにmyspace musicというサービスが始まりまして。それはどういうサービスかというと,ソーシャルネットワークサービスなんですけれども,myspace musicが世界で非常にシェアが高い4つのレコード会社全てと契約して,ユーザが無料で音楽を自分のページに張ることができる。500万曲以上あるカタログの中から自由に自分で他人に向けて無料で配信することができる。それはあくまでも合法的なビジネスで,それに対して広告スポンサーがいて,スポンサーが広告料を支払うことで著作権料をクリアして,ユーザはそのおかげで自由に張ることができるというサービスがある。
そういった新しいものが出てきている中で,音楽ビジネスはネットという新しいメディアが出てきたところで,新たなビジネスモデルを,アメリカの音楽業界は日本以上にパッケージというのが落ち込んで,デジタルに移行しているからと,そういった状況の違いがあるというのは分かるんですけれども,そういったデジタル化の変化の波が訪れてきている中で,アメリカはユーザが自由に音楽を利用できるような環境を整えて,かつ,そこから先は正規の音楽を買ってくださいということで,アマゾンとかいったところに誘導したり,もしくはそこでライブチケットを買ってくださいと,そういったサービスを提供して,デジタルの世界で合法なコンテンツビジネスを行おうという形に,ビジネスモデルを転換しているわけですよね。
そういった意味では,前の審議会でもお話があったと思いますけれども,海賊版対策の王道というのは,正規品をきちんと合法的に消費者が利用しやすい形で流通させた上で,デッドコピーに対してはきちんと摘発を行っていく,この組み合わせだと僕は思っています。そういう意味で,コンテンツビジネスのコンテンツホルダー側がやることをやった上で,悪意のあるユーザーを摘発するという形であれば,日本の消費者も納得すると思うんですが,今はmyspace musicみたいな,自由にいろいろなコンテンツを無料で楽しんで,アテンションを得た後にそこから購入するといった,消費者にとって非常に便利なサービスが日本に十分確保されているかというと,なかなかそうはなっていないという状況です。そういったことをやった上で30条の変更を考える,そういったことを総合的に考えていただきつつ,文化庁に対しての30条変更も含めてやるということを要望していただきたいなと。最後ということもあるので,権利者に十分考えていただきたいと思って発言させていただきました。
以上です。
1年前の議論の繰り返しというか,あえて繰り返しになってしまう部分があるんですが,僕は30条の変更に関しては反対です。懸念が2つあって,1つは,生野委員とか華頂委員のおっしゃる海賊版に対して,それが正規のコンテンツビジネスを阻害しているという,僕もそういう認識には同意します。それに対して何らかの対策が必要であろうということも全くそのとおりだと思います。ただ,30条をこういった形で変えることによって,この後の数年の流れとして,知財保護の中で30条の制限というのが全ての著作物に適用されてしまうことを非常に懸念しています。
今回こういう形で30条が来年の通常国会で通って,録音録画に限定してダウンロード違法化が実現するという形になれば,現実問題として,法制問題小委員会ではゲームもそれに含めてくれという話にもなるでしょうし,ほかの著作物はどうなるんだと。ダウンロードを違法化している国は欧米などでもありますけれども,録音録画という形で限定するのは日本だけという,ある種ちょっといびつな状況になっている中で,写真の著作者協会がそれも含めてくれというようなことを言い出してくることは十分考えられる。
そういう状況を踏まえたときに,僕が懸念するのは,インターネットという情報技術,テクノロジー自体が他人の著作物をオンラインでコピーしてしまうがゆえに,違法なコンテンツに触れてしまわざるを得ないところがあると思うんですよ。検索エンジンなどが象徴的だと思うんですけれども,ネットのサービスは情報取得の利便性を上げるために,著作権的にグレーなところをあえて越えてしまうサービスが出てきているわけです。
例えば,今,若者だとなじみがあるmixiというソーシャルネットワークのサービスでは,動画を張り付けることもできますし,動画をそこでダウンロードすることもユーザにおいてできる。あとは,mixiの中のモバイル版のサービスというのがありまして,携帯電話で他人のmixi以外のブログを自動的に取り込んでしまって,それを表示するという機能もあります。あれは他人のブログまで勝手にとってきて,mixiのサーバ上に変換してしまっているので,あれも厳密にいけば公衆送信権の侵害という形になると。
そこには画像なども置かれているわけで,そういったものもユーザインターフェースの中で,利便性の中で,mixiのユーザというのは他人の日記を見る感じでブログを見ているわけですから,それがまさか違法なものだというのは気付かない。「情を知って」という要件があるにしても,著作権は常にグレーな状況で,利便性を高めるために違法な状態に置かれる著作物を取得している可能性は非常に高くなっているという状況がある。デッドコピーに関しては対策すべきだと思います。ただ,やるのであれば本当に実効性のある方法でやるべきでしょうし,現実的に対策をするということであれば,実効性があるというのは,プロバイダ責任制限法とか,そこの発信者情報開示請求の見直しとか,もっとほかにやるべきこと,実効性の高いものあると思います。
先ほど生野委員から,このままだと音楽ビジネスが立ち行かなくなるというお話がありまして,確かにそういった面はあるとも思うんですけれども,例えばアメリカに目を向けてみたら,9月の終りぐらいにmyspace musicというサービスが始まりまして。それはどういうサービスかというと,ソーシャルネットワークサービスなんですけれども,myspace musicが世界で非常にシェアが高い4つのレコード会社全てと契約して,ユーザが無料で音楽を自分のページに張ることができる。500万曲以上あるカタログの中から自由に自分で他人に向けて無料で配信することができる。それはあくまでも合法的なビジネスで,それに対して広告スポンサーがいて,スポンサーが広告料を支払うことで著作権料をクリアして,ユーザはそのおかげで自由に張ることができるというサービスがある。
そういった新しいものが出てきている中で,音楽ビジネスはネットという新しいメディアが出てきたところで,新たなビジネスモデルを,アメリカの音楽業界は日本以上にパッケージというのが落ち込んで,デジタルに移行しているからと,そういった状況の違いがあるというのは分かるんですけれども,そういったデジタル化の変化の波が訪れてきている中で,アメリカはユーザが自由に音楽を利用できるような環境を整えて,かつ,そこから先は正規の音楽を買ってくださいということで,アマゾンとかいったところに誘導したり,もしくはそこでライブチケットを買ってくださいと,そういったサービスを提供して,デジタルの世界で合法なコンテンツビジネスを行おうという形に,ビジネスモデルを転換しているわけですよね。
そういった意味では,前の審議会でもお話があったと思いますけれども,海賊版対策の王道というのは,正規品をきちんと合法的に消費者が利用しやすい形で流通させた上で,デッドコピーに対してはきちんと摘発を行っていく,この組み合わせだと僕は思っています。そういう意味で,コンテンツビジネスのコンテンツホルダー側がやることをやった上で,悪意のあるユーザーを摘発するという形であれば,日本の消費者も納得すると思うんですが,今はmyspace musicみたいな,自由にいろいろなコンテンツを無料で楽しんで,アテンションを得た後にそこから購入するといった,消費者にとって非常に便利なサービスが日本に十分確保されているかというと,なかなかそうはなっていないという状況です。そういったことをやった上で30条の変更を考える,そういったことを総合的に考えていただきつつ,文化庁に対しての30条変更も含めてやるということを要望していただきたいなと。最後ということもあるので,権利者に十分考えていただきたいと思って発言させていただきました。
以上です。
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この人いいこと言ってるなー!
(via kakutani)